現実と理想

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2021年8月18日、恋ヶ窪駅にて(WB:6735K)

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2021年8月18日、恋ヶ窪駅にて(WB:5000K)

最近、SNSなどでコントラストや彩度、ホワイトバランスなどをゴリゴリにいじっている画像を散見するにつれ、正直肌に合わないなぁ…とは思っていましたが。

例えばこの2枚は同じ画像ですが、上写真は実際の見た目に近いホワイトバランス、下写真は見栄えが良いようにホワイトバランスを調整したものです。さて、どちらが“正解”なのでしょうか。

鉄道の写真はもともと「記録すること」に端を発したものだけあって、基本的には極力手を加えず現実どおりに写し取ることを是としていますが、デジタル写真で一般的かつ容易になった、撮り手の「こういう色調でまとめたい」という理想や願望を反映した画像作りは、果たしてどこまで鉄道の写真に応用され得るのでしょうか。

まだ答えは出ませんが、写真とは「真実を写す」ことを原義とするのならば、最近の風潮はそれとは少し異なっているのではないだろうかと感じています。むしろ、感覚としてはイラストに近いのではないでしょうか。

ポジフィルム全盛の時代から写真を撮り続けていた人間からすると、もちろん当時からフィルターワークをはじめ、色調を調整するさまざまな技法は存在していましたが(それこそフィルムの選択もその一つ)、それでも昨今の「○○映え」的な画像に違和感を感じてしまうのは、ひょっとしたら写真の撮り方や楽しみ方もガラッと変わってしまったこととも無関係ではないのかもしれません。